さまざまな理由によって胃酸が食道内に逆流して生じる腹部症状や、食道の粘膜がただれてキズができる状態(逆流性食道炎)を、胃食道逆流症(GERD)といいます。
これらの代表的な症状として、
前胸部が熱い、しみる感じがする
酸っぱいものがこみ上げる、逆流感がある
ものを飲み込むと、つかえる感じがある
食べ過ぎ、脂っこいものを食べると、胃が気持ち悪い
食後におなかが張ったり、胃がむかむかする
のどがイガイガしたり、咳が続く
げっぷが出やすい
などがあります。
逆流性食道炎は、「胸やけ」や「すっぱいものがこみ上げてくる(呑酸(どんさん))」といった症状に加えて、「内視鏡検査(胃カメラ)」で診断します。
胸の痛みや食物がつかえるなどの症状は、逆流性食道炎以外にもほかの食道疾患(例えば食道がんや食道アカラシア)や耳鼻咽喉科疾患、心臓疾患などでみられることがあります。
口または鼻から細い管(内視鏡)を食道に入れて、食道の粘膜の状態を直接観察する食道内視鏡検査が勧められます。食道から胃にかけてしっかり検査することで、炎症などによる粘膜の傷害が認められれば逆流性食道炎と診断でき、その程度も評価できます。内視鏡で認められた食道炎の進行度を客観的に表すために「重症度分類(ロサンゼルス分類)」が用いられます。
当院は、日本消化器病学会・日本消化器内視鏡学会専門医が所属しています。
“単なる胸やけ”と思わず、気になる症状がある場合は専門の医師の診察を受けることが大切です。