かかりつけ医とは

2025/07/16  がん疾患, その他, その他カテゴリー, 呼吸器疾患, 大腸カメラ, 大腸がん検診, 循環器疾患, 検診異常, 消化管疾患, 生活習慣病, 生活習慣病, 疾患, 糖尿病, 肝疾患, 胃カメラ, 胃がん検診, 胆膵疾患, 脂肪肝, 脂質異常症, 腹部エコー検査, 超音波検査, 高血圧症,

先日、Web講演会に講師として登壇し、急性下痢・慢性下痢の診断と治療をテーマにお話しする機会がありました。講演資料を作成するにあたり、市中の皆さんが1か月のあいだにどのような受療行動をするのか、改めて調べてみました。ずっと以前に読んだ書籍を引っ張り出しました。1961年に発表された論文1では、成人1000人が1か月で疾病や傷害を経験する人数を割り出し、そのうち250人が医療機関を受診していました。さらに日本においてはどうかについて、2017年に福井次矢先生によってまとめられた論文2でも、同様の結果が示されました。1961年に示された論文から50年以上経過して、さらに日本に限定された集団を対象とした研究でも同じような結果でした。古今東西かかわらず、よく似た受療行動だったわけです。もちろん、年代、対象者など両者で均一な背景ではないため、結果の単純比較には制限があります。

日本では大きな医療機関のほうが、信頼性が高いからということで、これまでは初診時から大病院に受診する傾向が強かったです。最近ではかかりつけ医制度が普及し、まずは近辺の先生に診てもらい、近医で解決ができないときに大きな病院に紹介してもらう行動が広がってきました。

大きな病院に受診した場合、高度な医療サービスを受けられるなどメリットがある一方で、待ち時間が長いなど、制約も大です。一方で診療所の場合は待ち時間は大病院ほどではありませんが、すぐに信頼性再現性の高い検査などを受けることに制限があります。しかし、過去の研究3、4では、診察時の問診、身体診察で精度の高い診断結果が示されているとあります。

よって、健康上の理由で何か困ったことがあれば、または判断がつかないときは、まずはお近くのかかりつけ医を受診し、そこで高次医療機関に相談すべきかどうかを判断してもらうことが適切ではないかと思います。当クリニックでは、診断が困難な場合や診断のために高度な医療診断装置が必要な場合は、圏内の高次医療機関に紹介し、ご安心していただける環境づくりに努めていますので、どうぞご安心ください。また高度医療機関からの逆紹介も積極的に受け入れています。逆紹介患者さんを再び高次医療機関に紹介することも増えてきました。連携しながら最適な診療を実践していますので、高次医療機関から逆紹介された場合でも安心していただきながら、診療を受けていただけます。

 

参考文献

  1. White, KL, Williams, TF, Greenberg, BG. The ecology of medical care. N Engl J Med. 1961; 265: 885-892.
  2. Fukui T, Rahman M, Ohde S, et al. Reassessing the Ecology of Medical Care in Japan. J Community Health. 2017; 42: 935-941.
  3. Hampton JR, et al. Relative contributions of history-taking, physical examination, and laboratory investigation to diagnosis and management of medical outpatients. Br Med J. 1975 ;2: 486-9.
  4. Peterson MC, et al. Contributions of the history, physical examination, and laboratory investigation in making medical diagnoses. West J Med. 1992; 156: 163-5.

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