ピロリ菌感染症について

2025/11/03  がん疾患, ピロリ菌, 検診異常, 消化器疾患, 消化管疾患, 疾患, 症候, 胃カメラ, 胃がん検診,

全国データ的にも、また日々の診療でも実感していることをコラムします。何かといいますと、持続感染状態の「ピロリ菌感染症」の患者さんは、だんだん減ってきていることです。特徴的な胃粘膜の萎縮を伴わない、きれいな胃粘膜の方が本当に増えてきました。検診や診療で胃カメラを行っていますが、これを良く感じます。

ところで、最近、「無症状だけど、検診でピロリ菌抗体検査が陽性だったので相談に来ました」、または「胃の調子が思わしくない」ということで受診する方が続きました。そこで胃カメラを実施しますと、ピロリ菌に「現在」も感染状態である胃粘膜であることが分かりました。

ピロリ菌は、胃がんや胃・十二指腸潰瘍の大きな要因になり得ます「ばい菌」ですので、陽性の方には、ピロリ菌を除菌する治療を提案します。この治療ですが、典型的には1週間の内服治療で、保険で治療できます。検診でピロリ菌陽性と診断されたものの、無症状なので治療していない方や、胃の調子が思わしくない方は、ピロリ菌の持続感染による萎縮性胃炎の可能性があります。治療できる感染症ですので、どうぞ一度ご相談ください。

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